ここら辺でひとつまとめておきたい。それは、いわゆるケータイメールについて。
ショートメールからロングメールへ:
ケータイメールのそのものの歴史はよく知らないけれども、もともとはiモードに付属していたiモードメールとか、旧J-Phone系のスカイメールに代表されるものから始まっているんだろうと思う。
J-Phone系はこの頃からよく分からないので割愛する(誰か教えて!)けど、iモードメールはその名の通り、ショートメールから始まっている。この頃からいわゆるSMSの規格に準拠していたかどうかは分からないので、SMSではなくて敢えてショートメールと表記した。
ショートメールから始まったiモードメールは電話番号でやりとりできるものだったのだけど、その電話番号の後に"@docomo.ne.jp"というドメインをつけることでiモード外部にもメールを送信できるようになったのが今のiモードメールなのだと認識している。
だからこそ、iモードメールはセキュリティ問題として認識されるまで"電話番号@docomo.ne.jp"というメールアドレスを崩さなかったし、iモードメールは外部との接続インターフェースであるゲートウェイサーバでiモードメール形式に変換されて端末に配信されている。FOMA以降はかなり国際標準規格への準拠が進んでいるようなのでこのあたりも変わっているのかもしれないけれども。
ショートメール文化とEメール文化:
ショートメールの最大の利点はレスポンスにあった。電話の代わりにメールを送信できる簡単さがそこにはあった。ショートメールはpush型で通知されるものだったから、相手からのレスポンスが会話のように帰ってくる。もともとEメールというのは即時性のコミュニケーションを要求されるものではなく、「1日数回確認してレスポンスを返す」程度のものだったのに、ショートメールには即応性が要求された。だから、レスポンスがすぐに返さないのはひとつのマナー違反でもあった。
このショートメールの外観を損なわないまま、Eメールの機能を果たすようになったので、「いつもメールを確認して、メールにレスポンスを即時に返す」という文化が出来てしまった。そしてそれがPCの世界にも波及してしまっていると思う。
ガラパゴスケータイが変えたものは他にもあると思うけれども、このメールの使い方に関しては圧倒的な影響力を発揮したと思う。チャットのプロトコルがメールみたいな感じになってしまっている。
iPhoneへの抵抗のひとつとして、このメールの文化の違いが挙げられている。一部push型に対応しているものはあるものの、ほとんどのiPhoneで扱えるメールはpush型に対応していないのだ。それはガラパゴスが変えてしまう前の文化をiPhoneが持っているからだと思う。おまけに日本のショートメールはSMS規格に対応していなかったりする(一部を除いて)。
iPhoneが変えたもの:
iPhoneがアメリカで受けた背景には、書斎に行かなくてもメールが見れるとかいうことが大きく上げられている。つまり日本がガラパゴスで起こした変化をアメリカはiPhoneによって引き起こされているという現実があるように思う(実際アメリカに行って取材したわけではないからあくまで個人的な印象だけど)。
アメリカでは即応性のコミュニケーションとしてIMが非常に受け入れられている。iPhoneのSMSのインターフェースがiChatのそれと酷似しているのはそのせいだろうと思う。Appleはケータイでの即応性コミュニケーションをIMではなくてSMSに求めたのだろう。それがやがてEメールに移行するかは注意深く見守っていきたいと思う。(仕事上のやりとりなんかはアメリカでもメールソフトがずっと立ち上がっているのが問題になっているみたいだけど)
追記:
ちなみに、3キャリアのうちまだ取り上げていないauのショートメール(Cメール)は、今は消えてしまったポケベルの機能を流用したものになっていた。だから、auを使っていない人でもポケベル方式でメッセージが送信できるようになっていたし、Cメールの送信の際は端末に打った文字を端末がしゃべっていたりした。
けど、その後の改定で、Cメールは刷新されてポケベル方式がなくなった。またCメールには受信専用メールアドレスが割り振られていたのだけど、迷惑メール騒ぎの影響で廃止されてしまった。今となっては非常に惜しいサービスだと思う。何しろ便利だったし。
なお、auのメールサービスはCメールの拡張ではなく、完全なインターネット標準準拠のシステムとして構築されている。端末との通信はIMAPと発表されていた。その後、あのドットルールの改定が行われるまでは、一番ガラパゴスから遠い存在だったような気がする。
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